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ゴキブリは3億年ほど前、地球上に登場して以来、ほとんど姿を変えずに現在まで生き残っている「生きた化石」です。熱帯を中心に全世界に約4000種、日本では52種類のゴキブリが確認されており、本州・九州ではそのうちの19種類が発見されています。関東の店舗や家庭で見るのは、ほとんどがチャバネゴキブリとクロゴキブリです。

チャバネゴキブリ

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チャバネゴキブリは元来熱帯産のゴキブリです。日本に住み着いた時期は不明ですが、高度経済成長後にコンクリート造りの建造物が増えたことがチャバネゴキブリ増殖の原因であると目されています。空調設備が普及し、建築物内の高温環境が年間を通しての生息・繁殖に適していること、平均産卵数が多いことなどから、現在は日本最大の衛生害虫です。

サナギにならず、幼虫が直接成虫に成長(脱皮)します。よって幼虫も成虫も生息場所は同じです。薬剤に対しても強い抵抗性を持っています。

チャバネゴキブリの特徴

  1. 成虫の体長は11~15mm。体は黄褐色で、前胸背面に一対の細長い黒斑がある。
  2. 幼虫は黒色で、中・後胸背板と側縁部が淡黄褐色。成長途中で後胸背板一本の淡黄褐色の条紋が現れる。

チャバネゴキブリの生態

発生源 建物内でも特に温度が高い場所(冷蔵庫のモーター周辺など)に巣を作る。食性は雑食で、パン・穀類・野菜以外にも動物性食品なども差別なく好む。皮革製品、本や絵画に使われる糊、毛髪、排泄物、死骸なども食べる。
発生時期 通年発生する。冬季はやや繁殖力が弱まる。
生息場所 温暖な場所、食料源の近く、8~12mmの狭い隙間を好む。0.5mmの隙間を通り抜けることが出来る。
活動特性 糞の中に含まれる集合フェロモンの働きにより、その臭いに群れて巣を作る。飛翔能力はなく、行動半径は巣から2~3mの範囲。
走光性 光を避ける。夜行性で、明るい場所で目にすることはあまりない。もし光の下で見ることがあれば、近くに相当数の個体が生息している可能性がある。
産卵数 一生の間に4~5回。1卵鞘中に平均38個の卵。メスは孵化直前まで卵を保持している。孵化直後の幼虫は巣の外にはあまり出ない。
成虫の寿命 平均気温25度の条件下で、オスは約3ヶ月、メスは約5ヶ月。

クロゴキブリ

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クロゴキブリは元来野生種ですが、現在では人間の生活圏内に入り込み、下水道や浄化槽などに多く生息しています。クロゴキブリの移動は群れの生息密度に大きく左右されます。生息密度が高い場合、より生活しやすく食料の供給が豊富な場を求めて、かなりの距離を移動することもあります。逆に生息密度が低いときには、ほとんど巣の周囲を離れずに活動します。

他のゴキブリ同様サナギにならず、幼虫が直接成虫に成長(脱皮)します。よって幼虫も成虫も生息場所は同じです。薬剤に対しても強い抵抗性を持っています。

クロゴキブリの特徴

  1. 成虫の体長は25~30mm。体は光沢のある黒褐色。
  2. 幼虫は黒色で白色斑がある。

クロゴキブリの生態

発生源 建物内で巣を作ることは通常ないが、まれに水漏れ等を起こし、水溜まりのある屋根裏などで巣を作ることがある。多くは水があり温かい下水道、マンホール内部に大きな巣を作る。食性は雑食で、パン・穀類・野菜以外にも動物性食品なども差別なく好む。皮革製品、本や絵画に使われる糊、毛髪、排泄物、死骸なども食べる。
発生時期 6月から11月にかけて発生する。卵・幼虫・成虫の全ての状態で越冬できる。
生息場所 温暖な場所、食料源の近く、狭い隙間を好む。
活動特性 糞の中に含まれる集合フェロモンの働きにより、その臭いに群れて巣を作る。行動範囲は広く、400mほど飛んで移動することもある。
走光性 光を避ける。夜行性で、明るい場所で目にすることはあまりない。もし光の下で見ることがあれば、近くに相当数の個体が生息している可能性がある。
産卵数 一卵鞘(らんしょう)中に平均22~28個の卵。メスは卵を産み付け、チャバネゴキブリのように保持することはない。
成虫の寿命 平均気温25度の条件下でオスは8ヶ月、メスは1年半。

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